2022年08月11日
8月9日・10日に高校生アカデミック・インターンシップ研修が行われ、3人の高校生が参加しました。
学芸員とは何か、博物館の意義とは何かを理解してもらうことを目的に、博物館が果たす役割や、博物館の持つ「チカラ」について学びました。
最終的には長野県出身の画家、原田泰治先生のピエゾグラフ(高精細複製画)の当館所蔵の14点の中から、高校生たちが話し合って決めた「輪」というテーマにそって4点を選び、展示計画をたて、実際に展示作業も行いました。見ていただいた方に何を伝えたいのか、何を感じていただきたいのか、絵の配置やテーマ解説の一言一句を3人で悩みながら考えました。
【展示テーマ「輪」】
当館の企画展示室前ロビーにて9月末まで展示しています。
原田泰治先生の優しい絵と合わせて、高校生たちが学び、話し合い、考えた成果を感じていただければ幸いです。またこの展示から、高校生3人が届けたかったメッセージが、皆さんに少しでも伝われば嬉しいです。ぜひご覧ください。
【高校生アカデミック・インターンシップとは】
大学進学希望の生徒に「大学の向こうにある社会」を意識させ、大学研究室や研究機関等と連携し、将来進む可能性のある学問分野に関係した研究活動等を体験し、大学等への視野を広げ、学習意欲や進路意識を高め、探求する力・課題解決能力等を身につけることを目的としています。
新潟県教育委員会が主催で平成30年度から始まった事業です。当館では令和元年度から受け入れを開始しました。
2022年07月01日
新潟県立歴史博物館の中学生ボランティアガイドは、この夏、9年目を迎えます。
今年は長岡市立関原中学校の3年生2名が応募し、常設展示室「縄文人のくらし」の案内解説ができるように研修を重ねてきました。
7月23日には、ボランティアガイドの任命式が行われ、当館館長からボランティアガイドのIDを授与され、午後からは早速ボランティアガイドとして活動しました。
中学生ボランティアガイドは8月7日(日)までの土日に活動しています。ぜひ研修の成果をお聞きいただき、応援していただければと思います。
―中学生ボランティアガイドによる常設展の案内解説―
活動予定日:7月23日(土)~8月7日(日)の土日
※活動を行わない日もあります
活動時間:午後1時30分~午後4時まで
※案内解説をご希望の方は、常設展示室内「縄文人の世界」入口までお越しください。
館長からボランティアガイドのIDが授与されました
「縄文人の世界」を案内中
2022年05月05日
春季企画展「浮世絵にみる江戸美人のよそおい」の開催にあわせ、県内の図書館様から関連書籍コーナーの設置にご協力をいただけることとなりました。このコーナー設置が皆様のお住まいの地域の図書館に足を運んでいただくきっかけとなれば幸いです。
また、お近くの図書館で関連図書に触れていただいた後は、ぜひ当館の企画展へご来場ください。
施 設 名 | 設置期間 | 住 所
電話番号 |
主な設置図書 |
柏崎市立図書館 | R4.4.21(木)
~R4.6.5(日) |
柏崎市学校町
2-47 電話:0257-22-2928 |
●『ウチの江戸美人』 ●『江戸おんな絵姿十二景』 ●『絵で見る江戸の女たち』 ●『かわいい浮世絵』 ●『江戸おしゃれ図絵』 |
新潟県立図書館 | R4.4.26(火)
~R4.5.29(日) |
新潟市中央区女池南
3-1-2 電話:025-284-6001 |
●『イラストでわかるお江戸ファッション図鑑』 ●『絵解き「江戸名所百人美女」江戸美人の粋な暮らし』 ●『北斎クローズアップ3 江戸の美人と市井の営み』 |
新発田市立歴史図書館 | R4.4.28(木)
~R4.6.12(日)
|
新発田市中央町
4-11-27 電話:0254-24-2100 |
●『東京国立博物館/松方コレクション うきよえ名品展図録』 ●『太陽浮世絵シリーズ歌麿』 ●『名品揃物浮世絵7 国芳・英泉』 ●『浮世絵の歴史』 ●『浮世絵の見方辞典』 |
五泉市立図書館 | R4.4.30(土)
~R4.5.29(日) |
五泉市郷屋川1-1-8
電話:0250-43-3110 |
●『江戸ときものと衣生活』 ●『面白いほどわかる浮世絵入門』 ●『日本服飾史 風俗博物館所蔵 女性編』 |
長岡市立中央図書館 | R4.5.3(火)
~R4.6.5(日) |
長岡市学校町
1-2-2 電話:0258-32-0658 |
●『歌川国貞 これぞ江戸の粋』 ●『月岡芳豊 風俗三十二相』 ●『三代豊国・初代広重 双筆五十三次』 ●『江戸三〇〇年の女性美 化粧と髪型』 ●『江戸時代の流行と美意識 装いの文化史』 |
新潟市立西川図書館 | R4.5.5(木)
~R4.5.31(水) |
新潟市西蒲区曽根
2046 電話:0256-88-0001 |
●『教えてコバジュウ先生!浮世絵超入門』 ●『新装版 図説浮世絵入門』 ●『浮世絵の見方』 |
※設置期間や設置図書については変更となる場合があります。詳細は各図書館に直接お問い合わせください。
春季企画展「浮世絵にみる江戸美人のよそおい」のご案内はこちら
2022年04月29日
企画展示室入口の写真撮影可能エリアで撮った写真や、日曜日に開催している企画展関連の体験プログラムで撮った写真を、SNS(FB、Twitter、Instagram)に「#新潟県立歴史博物館」または「#江戸美人のよそおい」と付けて投稿してください。
投稿画面を受付に提示いただくと、オリジナル缶バッジ(「じょうもんじゃもん缶バッジ」か「江戸美人缶バッジ」)をプレゼントしています。
ぜひご参加ください。
2022年04月01日
新刊情報です。
販売は4月1日(金)からとなります。
当館ショップや受付にて購入できます。また、郵送による販売も行っています。
詳しくは出版案内をご覧ください。
●『越後文書宝翰集 三浦和田氏文書 Ⅲ・河村氏文書・小田切氏文書』 矢田俊文・片桐昭彦・新潟県立歴史博物館編 1,000円
『越後文書宝翰集』(国指定重要文化財 当館蔵)は総数727点の中世文書群で、文書のすべてが巻子に表装されており、全体で44巻となっています。本書で紹介する文書はこのうちの三浦和田氏文書第6巻(2通)と河村氏文書1巻(6通)と小田切氏文書1巻(29通)です。
2022年03月20日
長野県諏訪市出身の画家 原田泰治さんの作品の高精細複製画(ピエゾグラフ)14点が、新潟県中越大震災後「被災者のために」という原田さんの気持ちとともに、諏訪市から新潟県に寄贈されました。
作品は新潟県内はもちろん、東日本大震災の被災地でも展示し、被災者の心を癒してきました。
原田さんは2022年3月2日に逝去されました。
原田さんを偲んで、追悼展示として寄贈された作品の中から佐渡の作品を1点、企画展示室前ロビーに展示しています。
とても優しい絵です。ぜひご覧ください。
2022年02月05日
新潟県の民俗と民具研究の先駆である山口賢俊氏は、昭和30年代の越後平野湿地地帯における米づくりと変化に注目し、その実態を忠実に記録し調査研究をしました。
今回は、特に当時の湿田の稲刈りからハザバまでの農作業を、山口賢俊氏による調査記録と撮影写真を通じて紹介しています。
湿田の稲刈り、稲束をまとめて浮かす、稲を畦に寄せる、舟で運ぶ、人力で担いで運ぶ、といったようにどれも稲運びが工夫されていて当時の湿田の稲刈りの在り方が具体的にわかります。
調査中の山口賢俊(大沼 淳撮影) 『すてきな布アンギン研究100年 展示解説図録』(新潟県立歴史博物館2017年)
山口賢俊 東京生まれ/明治36年(1903)~平成4年(1992)
昭和2年(1927)に東京帝国大学工学部を卒業。
昭和27年(1952)から新潟大学農学部で、総合農学として農作業における技術と民具の研究を行う。
新潟県内の民俗学研究に従事し、県民俗学会会長として、県内の学術研究に貢献。
『新潟県の民具』『新潟県の運搬具』『新潟県の民家』など多くの著作があります。
湛水田(水はけの悪い田)の稲刈り、束ねて投げて寄せます。
〔昭和30年(1955)9月撮影/新潟市東区河渡〕
新潟市北区郷土博物館所蔵
刈った稲を所々にまとめておく湛水田(水はけの悪い田)
〔昭和32年(1957)10月撮影/新潟市東区河渡〕
新潟市北区郷土博物館所蔵
稲をキッツォブネに積んで、牛にひかせます。
〔昭和33年(1958)9月撮影/新潟市東区河渡〕
新潟市北区郷土博物館所蔵
フナミチを通ってハザバに運びます。田植えの時に、ある場所だけ早稲を植えておき、それを刈ると自然にフナミチができるようにし、そのフナミチは他人の田も全部つながっているにようになっていました。
〔昭和30年(1955)9月/新潟市東区河渡〕
新潟市北区郷土博物館所蔵
牛を引かせてハザバまで稲を運びます。
〔昭和33年(1958)9月/新潟市東区新川〕
新潟市北区郷土博物館所蔵
参考文献
山口賢俊著 『新潟県の運搬具』 1997年 野島出版
山口賢俊著 『日本の民俗 新潟』 1982年 第一法規出版