新潟 1869年11月5日
10月31日にOcean Queen号で手紙を送りましたが、C.J.Textor号のそちらへの出航に合わせて便りを続けます。
私の到着以降、私の荷物の荷揚げに好ましい天候で、毎日艀を送ることができましたが、今日ようやく準備が整いました。
もっとはやく荷揚げが済まなかったのは、船までの距離が遠く、艀が小さくて一度に6個しか運べないことと税関の運用に欠陥があるためです。
C.J.Textorの荷揚げはうまくいきました。政府はこの港に関わる約束事への対応に十分対応できていません。列強の領事はすみやかに変化が起こることを
期待し、いまだに当港における交易の障害になっていることについて,すでにこの港の責任者と話し合いを持ちました。
ふさわしい倉庫を借りることができず、荷物を保管する木造の小屋が機能不全であるため、しばらくのところ保税倉庫に荷物を保管しています。
しかし、これは短期間にすぎません。今朝、手頃な家と隣接して手持ちのリンネル製品すべてを納めるサイズのある耐火倉庫を借りることができました。賃料は一月35
両を超えません。10日後倉庫は今使用中の上階の家、1ヶ月1,2両ですが、とともに私の自由になります。すでに明日にも引っ越しをするつもりで、3ヶ月分の賃料
を支払いました。その期間後、毎月前払いをすることになるので、賃貸期間にしばられることはありません。
この家と倉庫は町の中心にあり立地がよいです。明日商売をはじめるべく商品見本を陳列するつもりです。
今まで自分の荷物の荷揚げに忙しかったため、ここで何が起こっているのか気づいていませんでした。縞織物、シルティング、生糸N16/24に需要があります。
同番号の生糸の手持ち14梱42ピクルを1ピクル54 1/2両で売りました。この生糸の値段が上がっていて、現在は30梱で57両の値がついています。
もしまだストックがありましたら、直近の便で送って下さるようお勧めします。
最初の報告で当地での交易、業務実績、需要のあるリンネルについてお伝えします。
オランダ貿易会社社員
R.A.Mees
オランダ貿易会社
横浜支店長宛
transcription / 翻刻
image / 画像
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